薄毛業界で最近最も話題となったのが東京医科歯科大が解明した「薄毛とコラーゲン」の関係性についての研究ではないでしょうか。
シンプルに説明すると、髪の毛を生やす毛包という器官が、17型コラーゲンが減少することにより小さくなり、神の毛が生えなくなることを突き止めたというのです。
これまで、薄毛の原因についてはさまざまな研究が行われてきましたが、
コラーゲンとの関係性で薄毛の原因を解明したのは初の例。
薄毛対策について新たなアプローチも期待できます。
ということで今回は東京医科歯科大が解明したコラーゲンと薄毛の関係性について見ていきます。
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薄毛の根本原因は男性ホルモン以外にもあった?
男性の薄毛の原因としてもっとも一般的なのが男性型脱毛症(AGA)。
AGAが発症して悩んでいる男性は国内には1300万人近くいるとされています。
成人男性の約25〜30%の人がAGAに悩んでいるということになり、
もはや薄毛は一部の人だけの特別な悩みとはいえないくらいになっています。
このAGA発症の原因が男性ホルモンのテストステロンと言われています。
テストステロンは5αリダクターゼという還元酵素と結びつくことでジヒドロテストステロンを発生させます。
このジヒドロテストステロンが髪が抜ける命令を発することでAGAが発症し髪が抜け落ちていくと言われていました。
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加齢に伴う薄毛のメカニズムを解明
しかし今回、東京医科歯科大が発見したのは加齢によって薄毛が進行する仕組み。
研究結果によると、髪の毛を作り出す毛包幹細胞について説明されていました。
この毛包幹細胞はコラーゲンに包まれて保護されている状態なのですが、毛包幹細胞は髪の毛を作るために細胞分裂を行い、DNAに損傷を与えるそうです。
まだそれほど歳を重ねていないうちはいいのですが、加齢にともなってどんどん傷つけた遺伝子を修復できなくなります。
それでもDNAを修復しなければならないので、酵素を利用して修復しようとします。
しかしこの酵素がコラーゲンとの相性が悪いのだそうで、毛包幹細胞を包んで保護しているコラーゲンを分解してしまうのです。
コラーゲンが分解されることにより毛包幹細胞が保護膜を失ってしまいます。
そうなると毛包幹細胞は皮膚の表面へとどんどん浮き上がっていきます。
毛包幹細胞が皮膚の表皮に近づいていくに従って毛穴はどんどんふさがっていき
薄毛につながってしまうのです。
ショック!毛穴自体がなくなる?
細胞は皮膚の表面まで達すると皮膚からはがれてしまい、毛穴自体が小さくなってなくなってしまうと言われています。
さすがに毛穴がなくなってしまえば髪の毛が生えることは不可能。
薄毛なってしまうのは不可避です。
ちなみに東京医科歯科大の研究チームは、遺伝子操作を行ったマウスで抜け毛の実験を実際に行ったそう。
研究によると、毛包幹細胞を保護するコラーゲンを失ったマウスはどんどん体毛が抜け落ちていったそうです。
一方で、毛包幹細胞のコラーゲンを維持し続けたマウスはずっと体毛を保ったまま。
コラーゲンの有無が毛の有無に影響していることが明らかにされたのです。
確かに育毛に取り組んでいる人たちは、細い髪の毛を太く元気にすることはできると言います。
しかし、まったく髪がなくなってしまってから髪を再生させることはできないでしょう。
東京医科歯科大の研究結果からは、毛包幹細胞がコラーゲンを失わないうちに
何とかしなければ薄毛はどんどん進んでいってしまうことがわかりますね。
コラーゲンを補給すれば大丈夫?
それでは、コラーゲンをしっかり摂取することで、毛包幹細胞を保護するコラーゲン膜を維持し
薄毛の促進を抑えることができるのでしょうか?
どうやら、そんなに単純な話ではないようです。
コラーゲンの補給にはサプリメントなどが出ているので、体内に取り入れること自体は難しくありません。
しかし、どうやら毛包幹細胞を保護するコラーゲンは、サプリメント等によるコラーゲン摂取では補うことができないようなのです。
結論から言うと、体の外から取り入れたコラーゲンが、そのまま体内でもコラーゲンとして機能するわけではないのです。
コラーゲンを摂取すると体内では一度アミノ酸に分解されてしまうのです。
コラーゲンはあくまで、真皮の中の毛包幹細胞などが、体内用のコラーゲンを生み出さなければならないのです。
つまり、コラーゲンを直接摂取しても薄毛を阻止する効果は見込めないということですね。
期待がかかる薄毛治療薬の開発
今回判明した薄毛化のメカニズムを元に東京医科歯科大は治療薬の開発を推進していくそうです。
新薬開発ですからそれなりに長い時間がかかると予想されており、5年から10年ほどは待つことになるでしょう。
しかし、薄毛に悩むわたしたちにとって、5年〜10年という月日は長過ぎます。
1年後でもかなり毛量が減り薄毛が進むことは十分にありえますからね。
毎年夏を過ぎると、髪のボリュームが減ったことを実感し、「来年のこの時期まで髪の毛は持ってくれるのか」と不安になるもの。
「そんなに悠長に待ってられん!」という人は自分なりに対策をするしかなさそうです。
コラーゲン減少を間接的に食い止める
そこで取り組みたいのが、コラーゲンの減少を間接的に食い止めようという方法。
コラーゲンを直接摂取してもコラーゲンを補給できるわけではない以上、
”体がコラーゲンを生み出しやすくなるようにサポート”するしかありません。
ビタミンCの補給は不可欠だが・・・
毛包幹細胞がコラーゲンを作り出すのに、ビタミンCは必須と言われています。
しかし、コラーゲンを作るためにビタミンCが利用されればいいですが
実際はそれを邪魔されることもあるのです。
その原因は活性酸素。
活性酸素は老化につながることで有名です。
そして、活性酸素が増えると、体はエイジングを防ぐためにビタミンCとアミノ酸を消費して老化を防ぐのです。
つまり、活性酸素が増えることによってコラーゲンが作りにくい状態になり
ひいては薄毛にもつながる可能性があるということなのです。
体内でコラーゲンを作りやすくする方法
それならばコラーゲンを生み出すためにビタミンCを補給することがまず第一。
そして活性酸素をできるだけ増やさないことが重要になってきますね。
ビタミンCの補給は、野菜でも果物でもどちらでも可能です。
野菜ならパプリカやパセリ、ゴーヤがおすすめ。
フルーツの場合はゆずやレモン、柿に多く含まれています。
しかし、食べ物でビタミンCを補給しようと思うと、つらく感じる人もいるかもしれませんね。
野菜が苦手という人も多いですし、ビタミンCを多く含むフルーツも柑橘系が多く酸っぱいものが苦手という人もいるでしょう。
そういう場合はサプリメントを有効活用しましょう。
食べる負担もありませんし、自分の好きなタイミングでさらっと摂取できます。
ビタミンCの接種率はすごく低い
しかし、意識してビタミンCを体に取り入れようとしても、実はビタミンCは思ったより髪の毛のために使われないと言われています。
栄養素は生命維持に重要な役割を持つ部分に優先的に回されるのと言われていて、
ビタミンCも毛髪よりも体内の臓器へと優先的に分配されるようです。
口から摂取した場合のビタミンCは実際は1%も頭髪には使われないとも言われています。
さらに悪い事に、ビタミンCは体内にとどめておくことができません。
大量に摂取したとしても、その時に使われない分は排泄されます。
というわけで、理論上は常にビタミンCを摂取していないといけないということになります。
薄毛を防止するためとはいえ、かなり自己管理を問われることになりますね。
頭皮に直接ビタミンCを
ビタミンCについて知ってがっかりしたかもしれませんが、あきらめるのはまだ早いですよ。
なんと、頭皮に直接ビタミンCをを吸収させる育毛剤もあるのです。
考えてみれば、ビタミンCを肌に吸収させる化粧品は数多く販売されていますよね。
頭皮も肌には違いないので、同じようなアプローチで薄毛をケアすることも可能なわけですね。
ビタミンCを頭皮に吸収させることができる育毛剤としてはビタブリッドCがありますので、
気になる人はチェックしてみましょう。
活性酸素を減らす方法
ビタミンCを減らすのもいいですが、活性酸素を減らすことができれば、
ビタミンCをより毛髪や頭皮に届けることができ薄毛対策になるはずです。
活性酸素を減らす方法を幾つか紹介します。
禁煙
タバコの煙には活性酸素を増やす有害物質がたくさん含まれているので
薄毛を促進する恐れがあります。
タバコを控えるのではなく、この際思い切ってやめてしまうと健康的にもいいですよ。
お酒を控える
アルコールも活性酸素を増やす要因に挙げられます。
アルコールについては適量であればむしろ健康的にはいいもの。
しかし、一方で薄毛にもつながるのですね。
酒量の多い人やアルコールに弱い人は控えたほうが良いでしょうね。
ストレス
ストレスを慢性的に感じる状態だと、血管が収縮するとも言われます。
血管が収縮することで血行悪化にもつながり薄毛になる恐れも。
また、ストレスによって活性酸素が発生します。
紫外線
紫外線も活性酸素を増やす要素と言われています。
皮膚の細胞でも活性さんをは生成されると言われているので、
外出時は肌の露出を避けたり、帽子をかぶるなどした方がいいでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
薄毛がコラーゲンの減少と深く関係していることを解明した東京医科歯科大は素晴らしいですが、
わたしたちにとって重要なのは、その事実を元に薄毛になるのを防ぐこと。
薄毛の原因となるコラーゲンの減少を食い止めるためにも、
ビタミンCの摂取と頭皮への補給、そして体内の活性酸素を減らす努力をしていくといいでしょう。
自分の生活に落とし込めるように少し意識してみてください。